宇宙はひとそれぞれにある

随分と前になるが、ある種の気づき、もしくはちょっとした悟りのようなものだろうか、あるインスピレーションが自分の中に生まれた。

ちょうど原付バイクで出かける時だったが、雨が降り始めた。私は革ジャンバーが濡れるので着替えなければと思い、「くそっ」と思った。

その時に妻は「出かける前にわかってよかったね」とにこやかに言った。私は自分とはまったく違う意見に、ああとらえ方が違うのだと素直に思った。そのとても小さな出来事から、流れるように私にインスピレーションがやってきた。

この世界には、あらかじめに設定された意味などない。白地図のようなモノに、色(意味)を与えるのは自分なのである。そして、人の数だけ意識はあり、意味の世界は人の数だけ存在をする。世界や現実を共有しているなどというのは、幻想にすぎないのだと。

その時から、思いついたことを日記のようにつらつらとノートに書いているのだが、それが150冊近くになった。

世間的には頭がおかしいと思われるかもしれないが、宇宙は人それぞれにあり、それは共有できるものではないのだ。