メロン

朝のテレビでメロンの追熟について扱っていた。子供の頃日本ではマスクメロンなど食べる機会はなく、もっぱらプリンスメロンと呼ばれる瓜の類いを食べていた。私はスイカの方が好きだった。
小学生から中学生にかけて、革命直前のテヘランに住んでいた。テヘラン市街の八百屋には見たこともないメロンやスイカがかなり安く買えた。
メロンはマスクメロンではないが、色々な種類のメロンがあり、スイカは巨大で長かった。球体ではないのだ。
メロンもフットボールのような形のもあった。日本と違い八百屋から買ってきた時点で追熟は終わっており、完熟だ。
現代日本の配送システムは速くて優秀すぎるのだ。熟すことなく店頭に並ぶ。
海外では配送中に熟してしまうので、メロンの柔らかな舌触りと甘さはその時に安上がりに体験をした。
メロンの完熟した判定の色合い、硬さ、匂いを番組での説明を聞いて、なるほど私はそれを知っていると思った。
体験をしていると判ることが、一度も体験してないと感覚的にわからないことがある。小さなことでも、体験というのは重要だ。