青山墓地の中で

品川方面で雅楽を鑑賞した帰り、夜の8時前で暗い中を自転車で走っていた。スマホのグーグルマップを徒歩用ナビにして、指示に従って広尾、西麻布を通って新宿方面に走っていた。

ナビの指示通り道に入ると妙に細い道に入った。嫌な予感しかしない、やっちまったなと思った。

青山墓地がこの辺にあるのは知っていた。当然だが、縁もゆかりもない墓地に行く趣味はないので入ったことはない。それも夜である。

真っ暗な中で一人肝試しの様相だ。意外であったのは、少なくとも、邪気に溢れていることはない。目が慣れてくると、日本で多分最も高級な部類に入る墓地なせいか、敷地の中に大きな鳥居がある墓まであった。

高級な墓地だけに、皆さん成仏できているに違いない。(笑)横浜の外人墓地もこんな感じで、嫌な波動は感じないと記憶している。

どの仏さんも古いので、すでに障りがなくなったという感じ。敷地が広く、途中で広い道路に交差して、信号に青山墓地中央などと書いてある。まだ、中央なのだ。

そこからさらに墓地が続く。それを抜けると見たことがある青山通りに出た。東京には長いこと住んだが、青山墓地の中に入ったのは初めてだ。

よくある妖怪アンテナにビンビンくるような墓地でなくてよかった。

しかし、グーグルマップは手加減というものを知らず、ただひたすら最短距離を示す。もう少し配慮が欲しいものだが、日本人のような配慮は期待できないのだろう。