渋谷の塞翁が馬

11/1の朝はニュースは前日の渋谷のハロウィンが平和に終わったことをもっぱら取り上げていた。

昨年のハロウィンでは酔っ払いの若者がトラックをひっくり返し、暴動のような状況が報道されていた。今年は警備に1億円投入され、コンビニ・酒屋では酒類の販売規制が行われるなど渋谷は厳戒態勢でハロウィンを迎えた。

クリーンで安全なハロウィンをしようと地域、自治体の呼びかけは功を奏して、朝の渋谷にはごみ一つ落ちていない平和な朝が迎えられた。

この変わりようの功労者は誰だろうか。もちろん、地域の人、自治体、警察関係者、ボタンティアの人たち、参加した若者の功はあるだろう。しかし、一番の功労者は前年に車をひっくり返して暴れて逮捕された酔っ払いの暴徒ではないだろうかと思う。

それまでも、ゴミは散らかし、街中で破壊活動をする若者が絶えないハロウィンは無法地帯だった。しかし、暴動状態のような自動車をひっくり返す酔っ払いの若者が出て、はじめて世の中は流れが変わったのだ。逆にそこまで陰が極に達しないと、変わらなかった。

もちろん、逮捕された暴徒はそれを狙った訳ではなく、単に好き勝手に暴れた結果、自分が暴れる場所を失うことになる。その変化の功労者が自分になるとは夢にも思わなかったであろう。

酔っぱらって、暴れることは間違いなく悪いことである。しかし、とんでもなく悪いことが役に立つことがある。

この世界はとても複雑にできている。まさに、人間万事塞翁が馬である。