武蔵御嶽神社

友人の誘いで青梅市の武蔵御嶽神社に行った。麓からケーブルカーがあるのだが、全部歩いて登山をしたら、日頃の運動不足を実感した。

山岳信仰の神社ということだが、1000年以上の歴史がある。当初は蔵王権現を祀っていた修験道の神社であり、山の神様を祀っていたのであろう。あとからやってきた神道の神々が幅をきかせているが、一番奥にこの神社の大元があるように思う。

大口真神として”おいぬさま”(狼)が祭られている。日本武尊を助けた白狼を祭ったというお話だ。本殿の裏の一番奥に大口真神が祭られ、そのさらに奥に太占を行う祭場がある。もともと、神社の原型は聖なる土地にしめ縄を張った場所を政(まつりごと)の祭場とする。神社でもそのような場所を持つ神社は少ない。それだけ、御嶽神社は由緒正しいのであろう。ここがこの神社の肝なのである。

そこに奥の院を参拝する場所がある。いちいち奥の院まで登るのが大変なのでそこからリモートで参拝したのだ。昔の人はよくわかっている。奥の院のある山が見えて、山頂にあるのかと思うと山頂の左下の中腹に強い波動があり、それが奥の院なのかと思った。その後に奥の院まで足を伸ばしたが、鎖場もある結構な坂を登って行き着いた奥の院は頂上ではなくて、中腹にひっそりとあった。ここが狼を眷属としてもつ日本武尊が祀られる奥の院。私は実家の氏神様が日本武尊であるので、ご挨拶をした。

ネットで調べる限りでいえば、大口真神を祀る神社の代表格はこの武蔵御嶽神社と秩父の三峰神社が有名である。秩父地方には大口真神を祀る社が多いらしい。狼は神獣、聖獣、山の神として古来から祀られ恐れられてきたという。それは神道よりも古い信仰ではなかったかと思われる。

御嶽神社にしても、三峰神社にしても、狛犬が狼であるのがとても特徴的である。あきらかに普通の狛犬とは違っていて、実に面白い。

本殿の後ろ側に元々の山岳信仰で祭られた蔵王権現の御柱がある。触拝所と書いてあるので、御柱に触れて良いのだと思うが、とてもパワフルな気を感じる。

さらに神社に行く参道に神代楓という太いご神木がある。ここの参道には1000年も経つであろうご神木級の杉が山ほどあるが、この神代楓は格別にすばらしい波動を放つご神木である。古き神々の社のご神木の豊かさはさすがである。