意外な才能

会社の同僚のMさんというのはなんでもそつなくこなすフットワークのいい若者だ。彼と雑談をして気づいたことがある。

彼はお気に入りのアニメ「あしたのジョー」や古い大河ドラマの話をした。私もアニメ、時代劇共に好きなので話は盛り上がった。(年齢的にはよくそんな古いアニメが好きなのだなと思う。)

しかし、いろいろと話していくと彼は恐ろしく映像記憶が良いことに気づいた。あしたのジョーの様々なシーンをまるでさっき見たかのように事細かに話す。かなり古い大河ドラマのオープニングにでてくる演奏者の名前を気にするなどなど。私はサブキャラの細かいセリフや画面の端にあるような文字にまでは気を払うことはできない。

私はそもそも映像でドンと入ってきたデータに対して、注目した範囲でしか理解しないし、まして記憶をしておくことはできない。彼と同じようなことがうちの長男はできるが、あれは私にはまったくできない芸当だ。

雑談をしているところから、彼と仕事をしているだけでは全く見えない側面を見た気がするが、それこそ彼の才能に他ならない。

映像は次々に画面が変わって大量のデータが入っているが、それに目配せしながら細かい部分にまで、注意できる。映像制作やそのチェックなどではきっと活躍をするだろう。また、何か監視をするような仕事にも向いているのかもしれない。たくさんのモニターを見ていても、何かおかしい部分があれば瞬時にそれを見つけ出すぐらいのことは平気でやってのけるのではないだろうか。

そういった能力を理解しながら、適材適所に仕事を割り振ることができるなら彼はスーパープレイヤーになるだろうし、業務は円滑にいく。なんて思う訳だ。

人材の割り振りをする人はそれと業務のマッチングができると良い。人は自分の才能を、できて当たり前だと思い、さらには他人にもそれぐらいできるだろうと思っていたりする。そのために自分のすごい才能を見逃してしまうことがしばしばだ。

もし、自分の才能を見つけ出してアドバイスをしてくれるようなサービスがあったら面白いなと思う。

私がお思いつくぐらいだから誰かがやっているだろう。もっとも、人の才能を見抜くのもまた才能である。そういう人を集める必要があるとすれば、そこはハードルが高いだろうか。

リーダーをやる人の中に、人の才能が見抜ける人というのはどのくらいいるのだろう。世の中の経営者や管理者のすべてが決してそうではないのは確かである。

たしかに、リクルートには人を見抜く目を持つようなそんな人たちが結構いたような気がする。