メンタルの強さと苦難のレベル

東京五輪が延期になった日のニュースで30代女性の重量上げ選手が失望を隠せない心の内を語っていた。1年が自分には重いという。それはその通りだろう。パラリンピックの37歳男性陸上選手は1年間鍛える機会が増えたと前向きに語っていた。その前向きさには賛辞を送ろう。

どちらのコメントも良いと思うし、良いも悪いもない。健常者の選手はある意味エリートである。ギリギリの所で頑張っているのだろう。そのレベルを下げたくはないと考えるのは当然だと思う。パラリンピックの選手はそもそも壮絶な苦難を乗り越えて今があり、その苦悩のレベルは一般選手とはケタ違いであったであろう。だから、前向きさ、メンタルの強さもまたケタ違いなのだと思う。

うちの義兄夫婦は車椅子バスケットボールの選手であった。義姉に至ってはシドニーオリンピックの代表選手であった。彼らもまた過去の苦難もメンタルの前向き加減も健常者に比べてケタ違いであり、頭が下がる。

このことは何を意味するかと言えば、人が今苦難に直面している時、その苦難は必ず自分を強くしてくれるものであると言うことだ。私自身も長い期間のうつ病で廃人状態から立ち直ってきて今がある。今考えるとその苦難は決して無駄ではなかったと思う。

苦しんでいる最中にそんな事を言われても、何もならない。苦しみは淡々とやり過ごすしかないことも多い。しかし、生きているだけで明日は必ず来ると私は思う。