金融資本主義経済の終焉と通貨制度の崩壊

コロナウィルスの問題が始まった頃から、ひそかに思っていることがある。世界は一変するのではなかろうかという予感。

国とか通貨という枠組みがコロナにより崩壊していくのではという妄想である。もちろん、私が思うだけのことで、これがインスピレーションなのかすら怪しい。

パンデミックは近年でも鳥インフルエンザ、豚インフルエンザ、SARSなどで世界経済は経験をしている。しかし、これほどのものは近年にはなかったのだ。たぶん、今回のはスペイン風邪のように、かつて戦争につながっていったような規模のパンデミックに当たるのだろう。

今の世界は第二次世界大戦の時代とも違うのは通貨の仕組みが全く変容している。ニクソンショックによりドルの金兌換制度は終焉し、事実上で世界中の通貨が各国の中央御銀行の都合で貨幣刷り放題となっている。

その後、世界は実体経済とマネー経済はどんどん解離をしてきた。デリバティブは金余りにより乱高下をし、各国では実体以上にお金を刷った分だけの借金が増大した。あげくは、ネット上で仮想的に作られた価値と現実の通貨が兌換されて、さらに幻想上の価値が実社会で幅をきかせている。

私は、そもそもネット上やデリバティブでやりとりされる通貨と生活に必要な通貨は別である方が良いと思うのだ。マネーゲームやネット上で稼ぐお金は実体がない。それが人の生き死にを左右するから話がややこしい。

ここにきて、パンデミックによって世界中の国家は魔法の杖を振って、また通貨を輪転機で増産せざるをえない。そうしないと死んでしまう人がでる。

現代において、通貨はマクロでは幻想の産物になりはてているが、ミクロでは金に泣かされる人が山積みだ。金利という仕組みはごく一部の人に富は集めて格差は拡大し放題だ。

それが極限まで行った時にどうなるのだろうか。極端な格差は暴動、内乱、戦争を引き起こす。

人類は不公平には敏感な生き物だ。格差の拡大により、文明の一つぐらい崩壊しても不思議はない。

黒人男性の不条理な死により起きる暴動やムーブメント、香港での旧体制からの抑圧に対する反抗などはまだ始まりでしかないような気がする。

最終的には、金融資本主義経済の終焉と通貨制度の崩壊にあっという間に行くのではないのか?などという妄想が頭から離れない。ソ連の崩壊とベルリンの壁の崩壊は、あれよあれよという間に進んでいった記憶がある。

まるであの時のように世界はある日突然に一変するのではないか。そんな妄想とも想像ともつかないことを、なんとも妙な実感を持って感じる。なんの根拠もないのだが。