器の気で酒の味が変わる

友人の別荘に遊びに行った時、前のオーナーが置いていったという骨董などの器が山ほどあった。

焼き物というのは元々が土を焼いて作った石のようなものだ。石が気を吸い込みやすいのと同様で、焼き物には波動の違いが存在する。

私自身は茶碗やコーヒーカップを買う時には波動を見て買うことにしている。結婚後は器はすべて奥さんが買ってくるので、そこには口は出さないのだけど。

山ほどある茶器やぐい飲みから波動のよさそうなものを選んで酒を飲んでみようと提案をした。気功教室の時分によく仲間と一緒にグラスの酒に気を入れて味を変えるという遊びをやっていた。味が変わるのは結構だれでもわかるので、器の気によって変化があるかを試してみようという企画である。

個人的には普段から安いバランタインウイスキーを買ってきて、気を入れてまろやかにして飲んだりしている。気が入ることで味が変わるのは日々の生活に取り込んでいる。

複数の器を比べての利き酒は意外と大当たりだった。4種類の器に同じ焼酎を入れて飲むとそれぞれに味が全く違う。これは私だけでなく、友人も変化を感じ、感じた味の傾向としても同じであった。

甘くなって辛みも苦みもなくなるケース、辛みが出るケース、苦みが出るケース。波動がイマイチと判定した湯飲みで飲むと、辛み、苦み、えぐみが出る。もちろん、味の好き好きはあるのでどの器で飲むのが好きかは違ってくる。

さらには、一旦はとっくりに入れてからぐい飲みに入れるとまた味が違う。実に興味深い。

焼酎の場合、私は一番甘みがでる器が好きであった。もっとも、波動が良いと感じた器である。友人は少し辛みが残った方が好みだという。

ビールで同じことをやってみた。すると、焼酎では私の好みだった味の器ではビールの苦みがまったく飛んでしまって、まるでキリンラガーがコロナビールかオリオンビールのような味になってしまう。ビールを飲むのに合う器は別にあるわけだ。

これからわかるのは、元々の酒の味も大切だが、実は器によって味が変化しているわけだ。同じ器ばかり使っているとわかりにくいし、そもそも同じ酒を複数の器で飲むようなことをしないと気づきにくい。

昔の茶人というのは器にこだわったというのだが、達人となるとこのような茶の味を変化させるようなことも考慮したのかもしれない。気が読めれば、慣れればそういうことが可能である。

私は波動が酒の味を変えることは知っていたが、複数の器を並べて味見をしたことは初めてである。まだまだ、学ぶことはあり、世の中は不思議なのだ。

この実験をご自分でやる時の注意であるが、誰にも無意識に気を発する力はある。そのため、「そんなことあるはずがない」「酒の味が変わるはずがない」と思うとその人の酒はすべて同じ味になる。

あなたの力はあなたの思った通りのことを引き起こす。先入観は捨てて試して頂きたい。