劇場版エヴァンゲリオン

シンエヴァンゲリオンを見に行く前に、新作3作を見直してみた。

シンジは天井を見つめながら、「知らない天井だ」「なんで、ここにいるのだろう」、電車の中では「なんでボクは生きているのだろう」などと思う。

私も何百回も苦しめられたアレである。内側から湧いてくる問いに苦しめられるのは私だけではない。

シンジは自分軸がなく、人の役に立って喜ばれたいと思っている。そして、誰かの役に立てないと生きている意味が見出せない。共感性が高く、人からどう思われるかを痛みとして感じる。善い人であるが、とても生きづらい。私も長い間、シンジと同じだった。いや、まだそうかもしれない。

普通に生きていて、世界の破滅を背負わされることは滅多にない。それでもそれぞれの自我がこの世界を作り出していることに気づくと、自分が悪気なくやってきたことが実は世界にとってだいそれたことだったという事に気づくかもしれない。

エヴァンゲリオンは未熟で無知な主人公が世界の破滅とやり直しの依代にされてしまうという物語だが、これは「実はあなたのことですよ」いうことなのだ。誰もが未熟で無知なのである。

そして、そのことに気づいてないのは自分だけなのかもしれない。

さて、最新作はこれをどう決着つけるのか?さあ、これから見てこよう。