シンエヴァンゲリオン

最近はあまり映画館に足を運ばないが、シンエヴァンゲリオンはどうしても見てみたくなった。

amazonプライムで新劇場版3作を観てから、劇場に行った。

155分の長い作品だが、今までの伏線や謎を回収しての見事な最終作となった。エンディングは賛否はあるだろうが、私は良かったと思う。

未熟な子供が大人になるには、自分がしたことへの落とし前をつけることや自分に起きることを受け入れる覚悟を持つこと、さらに、自分に制限枠をもたらした親の未熟さを理解してそれを許し、親を乗り越えることにある。

シンジは自分とゲンドウが実は同じであったことに気づき受け入れ、世界を再創造していく。シンジは人類滅亡を賭けた壮大な親子喧嘩の末に、大人になった。

旧作のエンディングが一瞥体験を描いたものだったが、新作では分離意識からの統合を表すものだった。

私は自分と向き合った際に、自分が大嫌いでその痛みを与えた他人が大嫌いで、世界など滅びてしまえば良いと自覚こそしてなかったものの、思っていたことに気づいた。表面上は良い人にも関わらず、酷いことを無意識に感じていた。

私もそんな自分を統合をして、乗り越えることに成功した。

エヴァンゲリオンに強く惹かれる人は多かれ少なかれ、そういった繊細さんなのではないかと思う。

エヴァが社会現象になるということは、いかに同じような生きづらさを抱えた人が多いかということだろう。

この作品はそんな人への救いのキッカケとなるやもしれない。

エンドロールが始まると私は席を立つことが多いが、この作品のエンドロールが始まって席を立ったのが二人しかおらず、私も席を立たなかった。

有終の美を飾るに相応しい出来だったと私は思う。