雑談力

とある記事を目にした。雑談をしなさいと言う。ある経営者が書いたものだが、コロナ禍で会話が減っていることの危惧からか雑談を推奨していた。

また、お客様から聞いた話だが、制度として1on1ミーティングが導入されているが扱いに戸惑うという。

1on1とはバスケの話ではなく、上司と部下がサシで何でも良いから話をする打ち合わせを持つ訳である。仕事のことでなくても良い、というか仕事の話をしては意味がない。今期の目標設定を話すなど単なる面談になってしまうと、本質的には違うのではないかと思う。

私の若い頃にはなかったものである。昔は良くも悪くも飲みに連れ回されて、人となりは互いに理解したものだ。

相互理解に酒の力は大きい。全く馴染めない人と飲みに行っただけで変わることも珍しくはない。

今の時代の上司は酒に誘うのもパワハラ覚悟であり、ほぼ禁則事項であるので、その代用品の一つが1on1である。

私はやったことがないが、そもそもおしゃべりであるから、なんか話せと言われるとなんか話せる。基本は雑談である。

もともと、こんなのは普段から雑談も含めてコミュニケーションを取っていれば良いものだ。昨今はそれが回ってないのだ。

かつて、職場で雑談をしてると咎められるらのが相場だった。しかし、上場企業の会長様が雑談をしなさいというのだから時代も変わったものだ。

職場に行かず、リモートワークが長く続くと、久しぶりに会社に出てなにが良いかというと人間相手に雑談ができることがありがたいと思ったものだ。

また、部屋に一人でいると頭がおかしくなりそうで、常連が集まる飲み屋に行って常連さんとたわいのない話ができるのがいかに幸せだったかと思い知った。

目的がないたわいのない会話は、人間関係を作るにも、ストレス低減にも必要である。

雑談についても得て不得手があるようだ。1on1をするのに何を話せば良いかわからないので、億劫であるという人がいる。また、会話に目的のある伝達処理しか求めてない人もいる。なんで俺が利益にもならない相手と話す必要があるのか?というような方である。

もちろん、好き好きで良い悪いはない。

clubhouseは雑談部屋ばかりで面白くないという人が記事を書いているのを見たことがある。最小の労力で最大の利得を得ようとする人は雑談は無駄に思うだろう。

しかし、雑談力のあることで、長い目で見るといろいろとメリットを得ることもある。なんでも、無駄ではない。