イルミナティの誤解

オリエンタルラジオの中田さんのYouTube大学は結構よく見るのだが、秘密結社についての回があり、目からウロコが落ちた。

フリーメイソンとイルミナティの実際についての説明であった。

フリーメイソンが石工組合からなぜ世界を裏から牛耳る秘密結社になったのかが、とんと腑に落ちなかったのだが、実はそんなものではないと説明をしている。世の中の都市伝説の本とは全く違う内容に拍子抜けをしたのだが、そもそもグランドロッジの場所が地図にあったり、テレビが潜入できる時点でショッカーやデストロンのような存在ではないとは思っていた。

さらに驚くべき事に、悪名高いイルミナティに至っては、とある中世ドイツの貴族がフリーメイソンをお手本に作った秘密結社であるが、10年程度しか存在しなかったという。これは目が点である。イルミナティについては実体がよくわからない悪の結社ではなかったか。

関暁夫あたりは詳しく調べているだろうから、こんなことを知らない訳ではないだろうが、エンターテイメントとしてやっているのだろうか。世の中、金儲けとはそんなものだ。

Wikipediaには、英国作家の著作が陰謀論の原点であると書いてある。あれー、今までWikipediaの「イルミナティ」の項目を一度も見たことがなかったのか?と驚いた。

世の中の”常識”と実際の原点をたどると全く話が違うことはよくある。

たとえば、日本のお岩さんである。四谷のお寺に祀ってあることから、四谷怪談とは今の四谷で起きた実話かと思っていたが、実際は全く違う。雑司が谷の四谷という場所に、たしかにお岩さんという奥様はいたが、旦那さんを支えた立派な良妻賢母だった。墓のある巣鴨のお寺には今も良妻賢母の鏡としてお参りに来る人が多い。

旦那に裏切られて、殺されて、祟るというのは歌舞伎の演目に過ぎず、完全なフィクション。亡くなってから100年ぐらいたってからなぜか良妻賢母→オバケにされてしまっている。四谷のお寺は、お岩さんの親戚筋らしく全く関係ない訳ではないが、創作物の方が有名になって実際とひどい解離がある。故人もこれでは浮かばれない。

また、土用のうなぎも、実は江戸時代の平賀源内によるプロモーションに過ぎず、うなぎがやせる夏にまったく売れないことへのテコ入れがなぜか常識化したのは有名。バレンタインのチョコレートや恵方巻と同様、業者の陰謀(プロモーション)が常識化してしまった。まったくもって、ブームとは恐ろしい。

もちろん、世の中に陰謀がないわけではないだろうが、都市伝説の正体を見てしまうと残念な思いがする。幽霊の正体見たり枯れ尾花とはよくいったモノだ。