恋愛の正体

催眠術の先生の無料講座を対面で受けてきた。zoomの講座では私は全く催眠術に掛からなかったが、対面だと掛かったのが面白かった。

催眠術は術者と被験者の信頼感が必要で、さらには暗示の入りやすい状態にもっていく必要がある。

対面でやると様々な手法でトランスに入りやすいきっかけを作ることができる。私自身、催眠術で手が固まって開かない、足が動かない、声が出ないなど経験した。トランスに一旦入ると私の下手な誘導ですら、催眠術で相手の手が開かない、脚が動かない、声が出ないと言い出す始末である。

感情のコントロールで目の前にいる人を好きになるというのもやった。女性が男性の前で急に恥ずかしそうにはにかみだす、女性が女性をつかまえて「宝塚みたいにカッコいい」と言い出すのを見た。そして、うれしそうにニヤニヤしている。

これを見ると人は誰にでも恋ができるのだと思ってしまう。通常はいろんな条件があり、そのブロックを通り抜けた時に恋に落ちるのだが、全てすっ飛ばしてこの人が好きになるという暗示をかけるとアバタもエクボでその人が素敵で仕方がない。相手が素敵な人だから恋に落ちるのではなく、恋に落ちたらその人は素敵なのだ。

もちろん、手をパンと叩いて「催眠が解けます」というと急に元に戻る。これも一般の恋にも同じことがいえる。何かのキッカケで百年の恋が覚め、なんでこんな相手が好きだったのだろうなどと思うこともあるだろう。

恋愛は恋愛ホルモンが作りだす幻想であり、トリップであるのは、催眠術で同じことが起きることからよくわかる。

元々なんとなくわかってはいたが、次にもし恋をする機会があったとして、これは夢であり、幻想だと看破してしまった時それを楽しめるのだろうか?などと考えてしまう。指パッチン一つで恋から覚めてしまうかもしれない。

もっとも、この人生そのものが幻想でしかないのだから今更のことでもある。

とはいえ、人が恋をする時は全てが薔薇色に見えてこの世は天国になる。そして本人はとても幸せそうでキラキラとしている。たとえ、一時の夢や幻想であっても恋愛というものは良いのだなと思う。どうせ人生に見る夢なら素敵な夢を楽しみたいものだ。