人生のエクストラステージ

不思議な体験をされた方から聞いた話である。彼女は自分が長生きするという感覚が全く持てなかった人であった。

家族、親戚は長寿の家系で、お婆さんも90代でご健在。そんな彼女が自分が長生きしないと思う理由はよくわからない。子供の頃からそう思っていたので、自分の老後というものをイメージできなかった。

そんな彼女は神社に一人で行くのが怖い、海に入るのが怖いという。どこかに連れて行かれるような恐れを感じていた。前世や祖先の記憶で短命な人生が多く、それが今世も長生きできないという思い込みを作っていたのかもしれない。

そんな彼女が30代半ばに不思議な体験をした。ある夜に眠っているわけでもないのに、目の前に黄金に輝く宇宙船が現れた。彼女はそれをお迎えだと理解した。ああ、ついに来たと思った訳だ。

長生きしないとずっと感じていた彼女も家族ができて幼い子供たちを残して、向こう側に行くことがつらく、宇宙船に向かって「もうしばらく、ここに置いてください、家族と過ごさせてください。」と祈った。

すると宇宙船はすっと帰っていったという。それが通用する所が面白い。

それ以降、彼女は自分の老後を考えることができるようになった。自分が短命で人生を閉じるという思い込みがなくなり、新しい人生を得た。

もしかすると、本来は30代半ばに終わるはずの人生がエクストラステージに入ったのかもしれない。

この話を聞いて、私はウォークインという話を思い出した。何かの拍子に宇宙人の魂が入れ替わるのがウォークインだったと思う。ウォークインが起きると人が変わったようになるという。

私自身は宇宙人系の話に実感はないし、ウォークインというモノがあるかどうかはわからない。ただ、自分自身が人格が入れ替わったぐらい性格が変わった時期が2度ほどある。自分の人格の連続性に対して、私自身が疑義をもっている。その時には大きく人生の流れも変わったことを感じている。

姫様のような毅然とした雰囲気を持つ彼女の話を聞いて、かぐや姫も宇宙船が迎えにきたのかもしれないななどと思った。実に面白い。