ザ・メンタルモデル 由佐美加子

ソニーの元役員でCDやaiboを開発した天外伺朗氏との共著である。人が痛みを回避するためのパターン分類からみた分離意識のタイプである。人の生きづらさのタイプとも言える。

ざっくりと説明をすると「価値なし(私には価値がない)」モデル、「愛なし(私は愛されない)」モデル、「ひとりぼっち(自分はこの世界では所詮ひとりぼっちだ)」モデル、「欠陥欠損(私には何かが決定的に欠けている)」モデルがあり、人はどの要素も持っているが、特に一つのモデルに一番影響を受けている。というものだ。

ずっとその問題に左右される訳ではなく、適合期>直面期>自己統合期>体現期>自己表現期と進むにつれて生きづらさを克服していく。直面期は問題がエスカルートしていきその問題と向き合う羽目になり自覚し、自己統合期は自らの分離意識を統合する。自分の中でバランスが取れる体現期、自分の信じる世界を外側に実現する自己表現期と進むという。

最初読んでも、私は4つのタイプの全てに心当たりがあり、どれかわからなかった。私の場合、「愛なし」モデルで周囲にはたぶん「ひとりぼっち」モデルがやたら多いのではないかという結論にいたった。私の場合、寂しいとい感覚がやたらと強い。

もちろん、価値がないのではという思いに苛まれたこともあるし、不足感に苛まれたこともある。この4タイプは分離意識のパターンで人は皆全ての要素を持ちやすい。

私はUSPTを使ったセルフカウンセリングにより、散々自分の中の解離(分離意識)を統合をした経験があるが、すべてのタイプについての解離があった。このメンタルモデルではその中でも一番生きづらさを感じ、一番克服すると楽になれるタイプを見つけ出すのに役立つということではないだろうか。

精神疾患と呼ばれる状態になっている人は直面期に差し掛かっているのだろうが、健常者であっても多かれ少なかれは生きづらさを抱えているものなので、このようなメンタルモデルを参考に統合に至れれば良い。

もっとも、直面期に至ってない人はそもそも問題自体を自覚することができないであろうから、とりわけ危機的状態にあるような直面期の人に見つけてほしいメソッドであるが、その時は余裕が全くないだろうことから、こんなものがあると言う事を事前に知っているとその時に解決の糸口になるやもしれないと思う。

私の場合、「愛なし」の現実を作り出すために周囲には「ひとりぼっち」でも大丈夫な人がやたらと多く配してあるのだろう。ある意味、自分で自分を苦しめる世界設計をしているようなものだ。

興味があれば、本を読むともう少し詳しくわかるので、おすすめしたい。