後藤真希の歌ってみた

後藤真希は初期のモーニング娘の期待の才能と言われたアイドルであったのは私も知っている。しかし、最近YouTubeで歌っているのをみてびっくりした。一旦現役を退いた元アイドルとは思えない。

それを知ったのはカバー曲のダウンロードアルバムが出たことだった。YouTubeで歌っているのを聴いてみたのだが、その表現力に驚かされた。若い頃のアイドル時代に比べても圧倒的に表現力が上がっている。

私が印象的だったのはSPEEDのBODY&SOULである。両パートを一人で歌ってるのだがすごいなと思った。SPEEDはボーカルが10代と若かった(幼かった)ことから高音が出ていた所があり、20代になった彼女らは高音のキレがなくなっていった。

歌手も個人差があるが、成長と老化には敵わない。ゴマキは37歳であるが、SPEEDの高音も難なく歌っている。別の歌では踊り子のような低音の歌や明日への手紙のような透明感のある歌も良い。

何を歌っても同じ調子のカマボコ歌手というのもいるが、彼女は曲によって全く印象が変わるのが実に面白い。

モノマネではないが、声優のようにいろいろな声が出せる上に音域は広く、激しい歌い方、優しい歌い方など自在に歌える。その上、トップアイドルとしての声の良さも手伝い、まさに歌手になるために生まれたという感じである。さらに今でも美形である。

彼女がテレビから消えた理由には彼女の個人的な事情もある。様々な種類の家族の問題が降りかかり、本人の問題ではないがかなり苦しんできたのだろう。その分、人の痛みがわかる共感性は彼女の歌に高い質を与えたのではないだろうか。

つい聴き入ってしまい、夜遅くまで夜なべしてしまった。昔なら芸能界で干されると中々再度世に出る芽はなかった。それは元トップアイドルにとってもそうだっただろう。今は良い時代である。YouTubeは手軽に世界に働きかけることができる。お陰で大人の事情でテレビから消えた才能の発展が見られている。

天はたまに人に二物も三物も与える。今までは苦労もされたようだが、今後活躍されるのを期待したい。