善と悪 正義と悪

善と悪、正義と悪は人の数だけ存在する。一般的によくある概念では、社会にとっての正義と悪があると語られる。社会というのは共同幻想であるが、個々の正義と悪は社会のそれとは必ずしも一致しない。

社会にとっての悪とは個人のわがままであるが、それは個体の生存本能からくる防御反応である。生存本能がなければ、人類はとうに絶滅していたに違いない。悪とは絶対的に必要なものである。

善や正義とは他人への愛を表す。それは美しいものと讃えられる。では悪とは何か?それは自分への愛である。自己愛というと何か偏ったもの、歪んだもののように社会では教えられる。それは社会という集合意識が個に自己犠牲を求める傾向があるからだが、自分への愛、自分を大切にする心は他人への愛と同じぐらい大切なものである。

正義も悪もどちらも愛ではあるがその指向性が違うということになる。このバランスが取れていないと人は生物的に破滅に向かう。

社会の洗脳により、他人への愛を重視して、自分を犠牲にし続ければ、果ては自分を殺すことになる。それが鬱になったり、希死念慮に苛まれたりするのいうことである。

善と悪、正義と悪はどちらも愛なのである。何が良くて何が悪いということはないのである。