男運の悪い女(ひと)

ご本人が今となっては笑い話ですとお話ししてもらった話。ブログに書いても良いと許可ももらった。

話は彼女の恋バナ?から始まる。結婚を考えていた人と別れたと言う。ただ、その話が普通は経験できないような話である。

彼氏にはお抱え霊能者がいた。50代の彼からみて年上の女性霊能者を付き合ってしばらくして紹介された。そしてだんだん彼がその霊能者の言いなりだとわかった。

その挙げ句、結婚の話が出て婚姻届も用意した頃に、その霊能者が乗り込んできて、あなたと彼の結婚は認められないと言ってきた。その理由も素敵過ぎて泣ける。

彼女はバツイチであるが、その元夫の父親が成仏できてなくて、帰ってこいと言ってるからだそうだ。

このツッコミどころ満載の霊能者の主張はいくつかの点で破綻している。一つは霊能者はどの立場で結婚に反対をしているのかだ。ほぼ関係ない。さらに、元夫の父親が成仏できていないのが本当だとしてもだ、彼女にそれがなんの関係があるのか。そもそも、そんなに気になるなら、その霊能者が浄霊すれば良い。解決策を与えず、脅す、怖がらせるだけの霊能者は相手を洗脳して金づるにしたいだけの危ない奴である。

ちなみに、霊能者という連中もピンキリで浄霊できる人もいるが、多くはそんなことはできなくて、ただ見えるだけの人も多い。

この彼女、この元夫の方もまた大変であった。成仏ができていないと言われるお父様だがこの人も霊能者だったそうで。元夫も依存心が強い人だった。

過去に10年ほど付き合った男は病気がちで献身的に支えたがご縁がなく別れた、さらに同僚には強盗になってしまう男、同僚が勘違いしてストーカー的になってしまう男などが周囲にはいた。

ことごとく男性運が悪いようである。

ただ、別の考え方もできる。前述の霊能者が反対に来なければ、霊能者の言いなりの人と結婚していた。むしろ、反対してくれてありがとうなのだ。

ことごとくダメンズを引いているが最初の旦那以外とは結婚せずに別れている。むしろ、ギリギリ運が良いのかも。

そもそも、お抱え霊能者を彼女に紹介してくる男性になんて滅多に会えるものではない。とてもレアキャラである。びっくり体験としては秀逸である。

そんな彼らをいい人だと思っていた、いい人すぎる彼女も、流石にもう騙されたくはないと思いはじめた。体験によっての気づきは人を変えていく。

今となっては笑い話ですと笑っていた彼女には一皮剥けて何かすっきりとしたものを感じた。彼女の前途に幸あらんことを。