新型肺炎(コロナウイルス)について取り沙汰される昨今、今年のインフルエンザは話題にも上らない。シーズン当初は例年より早く蔓延を始めた。今の流行レベルマップを見るとひどい年は真っ赤っかなのに比べれば、そこまでではない。
東洋経済のネットニュースを見ると、「死者1万人超、アメリカで「インフル猛威」のなぜ、2年前はなんと6万人以上が亡くなっていた」などという記事を見つけた。
https://toyokeizai.net/articles/-/330373
実はこの記事を読んでも、なぜアメリカではインフルエンザで年間1万人~6万人も死ぬのかがピンとこない。日本では200-2000人/年であることから考えると、1桁から2桁の違いがある。いくらアメリカの人口が日本の2倍であるとしても理解ができない。むしろ、高齢化社会である日本の方が条件は不利な気さえするのだ。
そもそも、予防接種もあれば、抗インフルエンザ薬もある。これはアメリカでも同じはず。私が子どもの頃は風邪よりもやっかいであったが、今ではクスリさえ飲めばむしろコントロールしやすいとすら思える。もちろん、抗インフルエンザ薬自体の是非はまた別にあるのだが。たとえ薬やワクチンがなかったとしてもしっかり寝ていれば治るのだし、そんなに人がバタバタと死ぬ印象はない。少なくとも、日本人にとってはである。
東洋経済の記事が正しいのであるなら、アメリカではインフルエンザで1万人以上が年間で死ぬ。日本経済新聞にも同様な記事はある。この違いはなんなのだろう。今、新型肺炎で人類にとって未知であるウイルスに戦々恐々としているが、今の死者は世界中で1000人越えである。インフルエンザの方がよほど凶悪な病気ということになる。
所変われば品変わる。 アメリカと日本の違いは何だろうと考えると、もう単純に医療制度の問題ではないかと推測をする。日本では保険があり、インフルエンザになると病院にかかる。今の時代は、学校や会社ですら治るまで出席停止になり病院に行くことを求められる。保険制度が充実せず、オバマさんも実現できなかったアメリカではインフルエンザで医者にかかれない人が多いのだろう。
USA版インフルエンザが特別に凶暴でない限りは、対応によってこれほどの死者数に違いがでるとは驚きだが、日本の医療システムがいかに人を助けているのかを改めて見直したいものだ。
昔、スペイン風邪がパンデミックで世界流行した際の死者は5000万人だったという。新型肺炎はそれに比べればであるが、そこまで恐れる必要はない。日本ではすべきことを粛々と対応をすれば、新型肺炎すら怖いことはない。