頑張らない

私もつい言ってしまう言葉に「頑張って」、「頑張ります」というのがある。

頑張るの定義は人にもよるだろうが、よく耳にする「頑張る」という言葉には、100%もしくは120%の力で取り組むというニュアンスがあると思う。

成長期はそれでも良いかもしれない。若い頃は昨日より今日、今日より明日のできる事が拡張していく。成長するには今の限界を突破することで成し遂げることが必要だ。若ければ一時的なら若干の無理はなんとかなるものだ。

だが、どこかの時点からさほど成長はしなくなり、ある年齢を超えると老いにより、昨日できたことが明日にはできないことに直面をしていく。

私も老眼の進み方にそんなことを感じる。この先にはさらにそういうことが増えていくだろう。

たとえば、エンジンを常にレッドゾーンで回すとと短期で壊れる。100%を常に出し切るようなことをすると人は壊れてしまう。

それは大残業を長年やって体を壊した自分への戒めとして自覚している。

時代劇でよく耳にするが昨今聞かない言葉に「励む」という言葉がある。

日々真面目に取り組むが平常時は余力のある状態、60〜70%を持続していくようなイメージがある。

継続は力であり無理なく持続可能な運用をすれば、壊れずに長年続けられる。

頑張れと言われて、頑張りすぎて燃え尽きた私の経験は「頑張らないで」と語る。それは決して、怠けることを勧める訳でなく、「無理をしないで、最大戦速でなく、巡航速度で行こう」という意味である。

鬱になったり、悩みやすい人には、頑張らずに励もうと言いたい。

タオには「陰極まれは陽になる」という言葉があるが、どんな良いことでもやり過ぎはいけない。何事も中庸が良いのである。