稲垣吾郎の大崎医師

朝ドラ、スカーレットでは元SMAPの稲垣吾郎さんが大崎医師の役で出演している。朝ドラとは思えない深刻展開の中で、演技が光っている。

喜美子の息子武志が白血病であることを知った父の八郎は大崎医師と話をする。戸惑う八郎に「病気はつらいこともたくさんありますが、泣きたくなるような素晴らしい出来事もいっぱい起きます」と言う。病気を治すだけではなく、生きると言うことに向き合う人のセリフだと思う。

脚本家の水橋文美江さんは私と同世代である。随分と苦労もされたのだろうかなどと思う。

たとえ短い間だったとしても、これから失うことを心配するのではなく、今ここで一緒に居られることを喜べると良いと思う。これは家族など近しい人を亡くしていくと、人などいつ死んでも不思議ではなく、今一緒にいられる事の方が実は奇跡であることを思い知らされる。

病気に限ったことではないが、体験をする事は多くの気づきを与えてくれる。見た目の幸・不幸に関わらず、全ての体験は気づきを与えると言う意味では同じである。むしろ、大変な時にこそ様々なことに気づかされるものなのだが、あまり認めたいものではない。

私は奥さんがSMAPファンであったことから、どうしても目にすることが多かった。吾郎ちゃんは以前に嫌な役、悪役では定評があった。特に映画十三人の刺客の松平斉韶役の悪役ぶりは本当に素晴らしかった。SMAPの役者部門としては草彅くんが評価が高いが、吾郎ちゃんに対しても私は役者として高く評価をしている。昔からスターと言うのはどこを切っても、本人キャラというアクの強いのがアイドルだが、草彅くん、吾郎ちゃんは役者になれる人だと思う。

元SMAPのメンバーは色々と苦労の絶えないが、時代を切り開いてきた人であるので、今後も新しい境地を拓いていって欲しいものだ。