NHKスペシャル「タモリ×山中伸弥 人体 VS ウイルス~驚異の免疫ネットワーク~」

NHKスペシャルでコロナウィルスと免疫機能についてわかりやすい説明がされており、大変面白かった。

シリーズ人体は一通り見ているが、今回も最新の研究に基づいて、CGや顕微鏡動画を駆使しての説明は興味深い。

自然免疫と獲得免疫についてよく理解できた。よくこんな複雑な機能が精緻に作られたものだと思う。

日本人を含めたアジア人がなぜコロナウィルスで発症しにくいかについて考察されていたのは興味深い。

ファクターXが完全に解明された訳ではないが、住む地域によって免疫細胞間での情報伝達の型が違い、コロナウィルスの抗体を作り易い人と作り難い人がいることがわかってきた。

これは私がかねてから、黄色人種と白人、黒人とはコロナでの発症の度合いが違うと思っていたのだが、人種間での違いの説明になりそうだ。

また、抗体を大量に体内で作れる人が存在し、スーパー抗体として、他の人に投与することで救われることがわかってきたという。

以前に未知のウィルスに感染して抗体を獲得した人の血液を輸血することで治療できることがあると映画で見たことがあるが、そのメカニズムがわかってきたのだろう。

サイトカインストームのメカニズムについても分かりやすい説明があった。免疫軍が最後の手段として自爆を行い、網状のDNAを放出してウィルスを取り抑えようとする。その際に血栓を作ってしまう。自爆が連鎖的に起きる時に、血栓の急増により血管を詰まらせて死に至る。

免疫細胞の戦いは「風の谷のナウシカ」の王蟲の暴走を彷彿した。王蟲は環境を破壊し尽くすように見えて、腐海は環境を治癒していた。

今回のコロナウィルスに対応するために、世界中の医療従事者、研究者、製薬会社が協力して研究をした結果、急速に様々なことがわかってきている。

通常は競い合い、連携をしない人達が危機を目の前にして、協力をした結果だ。

人類は競争をすることで、発展をしてきたと言われている。しかし、そろそろ争うよりも協力する方がより発展するということを気づく時期なのかも知れない。