私は幽霊とは残存思念のようなものだととらえており、意思はなく、過去の記憶と感情の集積の名残のようなものだと理解をしている。
生きていれば新しい経験をして、新しい感情や記憶が積み重なっていくのだが、死んでいては新しくはストックされない。また、幽霊は他者と関わることはなく孤独の檻の中にいるのではないかと思っている。
生きていても過去にとらわれて、孤独に引き籠って新しい経験とは向き合わず一人で悩み続けているとかなり幽霊に近い状態になってしまうのではないかと考えている。
私自身もうつに悩んだ時代はそうであったし、悩みやすい性質からつい一人で悩んでしまうことは多い。そんな時は生きたまま幽霊のような存在になってしまっているのではないか。
今、引き籠りになってしまっている人に、いきなり新しい経験に向き合い、今を楽しんで新しい記憶と感情を紡ぎだすことが生きる事だ、などと言っても難しいとは思う。ただ、そんな時に生命の気が衰えてしまい、まるで幽霊のように気がマイナスに寄ってしまう事を頭の片隅においてくれるといい。
どんな小さなことでもいいので、人と共に新しい経験をして、そこに歓びを見出すことにより、そんな状況を変化させられるのではないかと思っている。
せっかく生きているのだから、生命力にあふれて生きようではないか。