会社で余っている中古マウンテンバイクがあるので、欲しい人はいないか?と掲示板に投稿されたので、私は欲しいと手を挙げた。
私は普段ママチャリに乗っているが、都内には結構な坂があり、変速機の段数の多いマウンテンバイクがあれば行動範囲は広がり、楽しめる。
結局、一番早く手を挙げた私が譲り受けることになった。
経緯を聞くと、社員が誰かに使って欲しいと私物を預けていった物だという。
総務で鍵と防犯登録の譲渡証明書をもらうと元の持ち主の名前には見覚えがあった。数ヶ月前に訃報が出ていた方である。闘病の末に亡くなったと聞いている。自転車はその遺品ということになる。
お会いしたこともないので、見ず知らずではあるが、遺品を受け取るのも何かのご縁である。
故人はまだ成仏はされておらず、浄霊は行わせて頂いた。マウンテンバイクはそのお代として、大切に使わせてもらう。
霊は自分に気づいてくれる人、自分を成仏せてくれる人に憑きやすいという話を聞いた事がある。
この自転車が私の手元に来たのもそんな塩梅であろうか。信じるか否かはあなた次第な話である。
献杯。