ペットの寿命

飼い猫の年齢を聞いて、17歳とか答えが返ってきて、何かとっても違和感があった。それは私の持つ”常識”との食い違いであろう。

常識というのは、時代と共に変わるものであるが、ペット事情も随分と変わったのだと改めて思う。

現在の犬や猫の寿命は16年を超えて、20年に届こうとしているようだ。私が40年ほど前に猫を飼った時の一般的な寿命は一桁であった。2倍以上の数字を聞いて違和感を感じたのだ。

ネットで調べると、飼い猫は2000年以降で10年以上の寿命が延びた。私の記憶の猫の寿命が7-8年だったのは、特に間違いではなさそうだ。

2000年年ごろの動物病院で扱う病気は、猫同士の喧嘩によるケガ、風邪、便秘、寄生虫などであったのに対して、現代の猫の病気は慢性腎臓、ガン、糖尿病、認知症などだという。急激な高齢化がまるで日本社会のミニチュアモデルを見るようだ。

それに従って、検査、治療法もCT、MRI、カテーテル、内視鏡手術、抗がん剤など高度医療のオンパレードである。高額な健康保険に入らないと支払いも大変である。

昭和の時代は、ペットは気軽に飼えたが、現代では子ども一人育てるようなもので、お大臣様の趣味となりつつある。

寿命がどこまで伸びるかわからないが、たとえば20年だとすると飼い主が60歳から猫を育てるとすると、下手をすれば人間様の方が先に逝きかねない。もっとも、人の寿命など元々わからないものではあるのだが。

人の子供が20年育てると独り立ちするのだが、犬猫は死ぬまで面倒をみないといけない。ペットを飼うには相当な覚悟が必要になる時代である。