もう30年以上前の話である。当時いた会社の社員寮で社内では幽霊が出るという話が有名だった。

入社したての私は今と違って目に見えないモノを全く信じない科学の子であった。私がいたのとは別の寮の話ではあるが、寮生の中ではかなり有名な話であった。

当時の会社はそもそも若い人が多いお祭り会社であり、信心深い訳がない。そこの総務が何度もお祓いを頼んだというから、マジヤバいなどというのが噂であった。

入社をして3年目ぐらいから、集合寮からワンルームマンションタイプの寮になっていったので、真っ先に廃止になったのではないかと思う。

昨年だったか、先輩と飲んだ時にその話題で盛り上がった。呪いの〇〇〇寮の怪談である。その先輩ご本人がその寮に住んでいたので、さあ大変。

先輩自身は直接見たことはないが、夜中に部屋から廊下に飛び出してきた奴が「日本兵がいたぁ」とか叫ぶのは日常茶飯事。

金縛りなどの事例もある。 実際にその寮に住んでいた人からするとそれが現実だったとか。お祓いは全く役に立たなかったらしい。

マジヤバい土地というのはある。その土地が元々は何であったかは、噂はあったが正確にはわからない。私はその寮に行ったことがないので今となっては正確な場所もわからない。

気が判るようになった頃にはその集合寮はなくなっていた。 まあ、触らぬ神にたたりなしである。私は気を観てヤバい所からは逃げた方がいいと勧めることにしている。

何か現象が起きた場合、その原因と思われることが実は症状だったりすることがあるからだ。たとえば、怪現象が頻発する原因が昔そこで自殺した人がいるとする。

ところが、その原因が症状であり、さらに根深い原因があるケースがある。簡単な除霊で済む程度なら良いが、そんなものに関わりあいたい訳がない。

その晩は「今はどうなっているんだろうね。」などと酒の肴になっていた。古き良き？時代の思い出である。(笑)