店に運を呼び込む人

夕食に洋食屋に行こうと思った。学生街の安くておいしい洋食屋だが、久しぶりに行った。店に入ると客は私一人だった。19時頃のことだ。この時間に店内が空というのはかなり残念である。

しばらくすると老紳士が入ってきた。彼は初めて入った店だという。「近所の方ですか?」と聞くと店の近くにある大学の出身だという。久しぶりに学生街に来たとか。

74歳だというが随分と達者な方で、いろいろと話をして仲良くなった。大変、この老紳士は明るい人物だった。話している間に狭い店ではあるが、満席近くまで混んでいた。

マスターと2人でいた時には、近所の大学がオンライン授業のせいもあり、客足は少ないという話をしていたばかり。授業はおろか、図書館で勉強すらできないのだ。それでよくこんなに客が入ったものだ。

この老紳士であるが、結構な運を呼び込むタイプであると思うのだ。単なる直感である。たまにそういう人がいる。空いている店に入るのだが、なぜかしばらくすると店が混雑するタイプの人。

こういう人を何人か常連に持つとありがたい。(笑)

その人自身が知り合いや友達を引き連れてこなくてもいい。そういう太い客ももちろんありがたいが、その人がやってくるとなぜかその後に店がはやるような人物。

そういえば、仙台四郎という人神が明治の頃の仙台にいたのを思い出した。仙台四郎とまではいかなくても、微妙に運を持ってきてくれる人を常連客にするのは良い作戦だ。(笑)

もっというと、そういう運のいい人をお店に貸し出すサービスなんていうのがあれば面白いアイデアだ。問題はそういう人材の目利きが重要ではある。もっとも、それが毎回通用するかどうかは検証が必要かもしれないが。(笑)

ちなみに、私自身も最近はガラガラのお店に入って、しばらくすると満席になるのをよく経験をする。自分のことはあまりそうは思わなかったが、改めて他人を見るとやっぱりそういう効果ってあるのかもと思う。

信じるか、信じないかはあなた次第というお話である。