偶然か必然か

久しぶりに日本人学校の同級生と会った。昨今の状況を鑑みて、密をさけるために少数というのはお約束である。ミャンマーからコロナ禍で一時帰国をしている友人を囲んでということだ。

日本人学校の出身者はビジネスで海外赴任をする人が多い。カエルの子はカエルとはよく言ったモノだが、経験的にも外地に行くことがへっちゃらで、英語を含め外国語に堪能である。大人になってからは、もっぱらドメスティックで英語の苦手な私からすると、実に羨ましい限りである。

積る話で盛り上がったが、私から見てとても興味深いと思ったのは、大学の卒業旅行の話だ。A君とB君はそれぞれ卒業旅行にヨーロッパに行った。特に約束や連絡はしなかったのだが、偶然にもローマとフィレンツェの街中で2回もばったりと会ったそうだ。

卒業旅行と言っても、二人とも2年ほど遅れてだったということだ。ストレートに行けば時期は年単位で違うし、そもそも広い欧州の中で偶然に出会うというのは奇跡的だ。日曜日に新宿や渋谷でばったり出会うのすら珍しいのだが、イタリアなどその比ではない。

その二人、よほどの御縁があるのだろう。

私はもっぱらご縁とシンクロニシティによる運命を信じる側である。それを単なる偶然と取る人もいるし、運命的必然と取る人もいるが、それは自由だ。

信じられないような偶然に見える出会いのある人は、何か深いご縁があるものとして見分けるようにしている。自分とご縁がある人であれば、一時期もしくは長い間でなんらかの深い関りや意味があるのだと思うのだ。

私自身、すごく不思議な運命の糸による出会いと感じることはある。そのあたりの話を聞いていて、実に面白かった。