草食系男子の気づき

行きつけのバーで会った男性が婚活中というお話を伺った。

38歳の彼は結婚はしたいが、女性と話していても楽しくないことがほとんど。男の友人と一緒にいた方がリラックスできる。

しかし、1年ほど前に彼にとって転機になる出来事があったという。一緒に話していて初めて苦痛でない女性と出会った。それ以降は他の女性とも苦痛なく話せるケースが増えたという。

30代の人あたりから草食系男子が増えたと言われる世代であろう。

その女性が特別だったというよりも、彼自身が37歳にして他人に対して許容できる幅が広かったのだろう。そもそも、男と女は全く違う生き物なので、男の発想だけではなかなか許容できないのは同じ男としてはわからなくもない。

自分があるべきと考える世界しか受け入れることができなかったが、人と自分は全然違うということに遅ればせながら気づいたと自己反省をしていた彼。

そんな彼に37歳でそれに気づいたのはむしろすごいじゃないですかと私は言った。

人の気づきのタイミングなど千差万別である。10代で妙にいろんなことに聡いことをいう人もいれば、60歳、70歳になっても全く気づきのないケダモノに近い人物もいる。

さしずめ、パワハラなどしているおっさんなどはその類である。気づきを得るタイミングが80、90歳の人もいれば、来世まで来ない人もいる。

それに比べると37歳で、人はそれぞれ全く違う宇宙を持つことに気づくというのは素晴らしい。

当の私も40代も半ばでそのインスピレーションが天から降ってきた。それまでの私は自分の見聞きする世界が正しく、それは皆に共有されているという幻想に囚われていた。

行動しなくては求める女性に出会えないが、時機はご縁と運の賜物である。正しい道を歩いているのだから、時機を待てば良いと話すと納得していた。

彼に良い出会いが来ますように。